夏目漱石 中卷

漱石の愛への慾求とその挫折とを丹念に描く

夏目漱石
  漱石にとつて自己は掛け替への無いものであり、自己本位を貫いて生きるのでなければ、生きてゐる事はおよそ無意味であつた。けれども、自己本位に徹しようとして漱石は他者に愛される事を希求せずにはゐられなくなる。その二つの慾求がもたらす葛藤は我が近代文學史上類例の無いものだが、それこそが漱石の偉大であり悲慘なのである。「虞美人草」から「思ひ出す事など」まで、漱石の愛への慾求とその挫折とを丹念に描く待望の中卷、漸うここに上梓。



第七章  虞美人草
第八章  坑夫及び夢十夜
第九章  三四郎
第十章  それから
第十一章 門
第十二章 思ひ出す事など

平成十一年十月 地球社  定價:本體3,400圓+税
ISBN4-8049-8038-5

『夏目漱石 中巻』の書評




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