續・暖簾に腕押し

續・暖簾に腕押し

  産經新聞の「マスコミ論壇」その他に寄稿した齒に衣着せぬ時事評論。政治倫理の空念佛を嗤ひ、教育論議の知的怠惰を痛烈に批判する。

伊藤榮樹最高檢次長檢事の「素朴な正義感」を心密かに容認しつつ、私はその知的怠惰を批判した。そしてまた、不道徳ないし沒道徳を法的に罰する事は必ずしもできないから、私は榎本三惠子や小室直樹氏を逮捕せよとも書きもしなかつた。だが、「法は道徳にあらず」といふ事を、最高檢次長檢事すらこれまで一度も考えた事が無かつたらしい。日本は相も變はらぬ知的怠惰の國、「無魂洋才」の國なのであり、私は今更のやうに「暖簾に腕押し」の虚しさを痛感したのである。(本文より)

<目次> ・最高檢次長檢事に問ふ
・法相に指揮發動を求む
・田中角榮さん、あなたは「無罪」になれる
・法は道徳にあらず
・「政治倫理」の紋切り型を嗤ふ
・檢察官も人間である
・自分の頭で考へよ
・社會黨だけを嗤ふ片手落ち
・政治家に望む事 ほか79篇

昭和六十一年三月 地球社 定價2,000圓 


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